北村西望

もともとの目的は、子供の誕生日で井の頭動物園に行くことでした。もう一つ目的があるとすると、先日捕獲したカエルがアマガエルではなくシュレーゲルアオガエルだということがわかり、その研究のためにカエル展を訪れることでした。

動物園を歩いていると、急に雰囲気が和になったかと思うと数体の彫刻が目に入りました。ここは何度か訪れているのですが、あまり興味もなく近づくこともなかったのですが、何か見たことがある巨大な像が目に入り、彫刻展に入ってみることにしました。右下の銀色に輝く像がそれで、まさに長崎の平和記念像です。なぜ?と無学な私は思ったのですが、実はこれが長崎の平和祈念像の石膏原型で、作者である北村西望の元アトリエと彫刻館があったのです。そもそもここは、井の頭動物園ではなく、”井の頭自然文化園”。なるほど。

北村西望という名前は歴史で勉強していたのかもしれませんが、正直なところ知りませんでした。
しかし、彫刻館をしばらく歩いているうちに、その圧倒的な迫力と表情に引き込まれました。今にもしゃべりだしそうなもの、何かを訴えかけるような表情、生命が吹き込まれたようなそれらの像を見て、この方が日本の彫刻界の頂点にいる方だとすぐに思いました。
戦争の悲惨さを訴え続け、90歳を超えるまで現役で創作活動をされていたこの方のことをもっと知りたくなりました。動物園はまた行くでしょうから、また一つ楽しみができました。