歯科用X線フィルムの行方



先日も話題にした歯科業者の情報誌にタイトルのような記事が出ていました。
小さいレントゲンをデンタルレントゲン、大きいレントゲンをパノラマレントゲンと言いますが、1996年に診療報酬に”デジタル加算”が入って以来、歯科用X線(レントゲン)もデジタル化が進み、アナログに取って代わろうとしているという記事です。最後には、”口内法X線フィルム(アナログ)が消える日は、そう遠くなさそうです。”と結んでいます。
アナログからデジタル化の流れはカメラをとってみてもここ15年で大きく変わっていて、歯科でアナログのカメラを使っている人はもうほとんどいないかもしれません。
いろいろと問題は試適されたものの、大手が競って開発競争をしたカメラは相当な早さでデジタル化が進んだのだと思います。
そう考えると、白黒のデンタルレントゲンがカメラと同じスピードでデジタル化が進んでもいいように思います。
しかしデンタルレントゲンにおいては、一番肝心な画質でデジタルは未だにアナログには及んでいません。

歯科診療でデンタルレントゲンの重要性はいうまでもなく、正確な診断をするためには不可欠で、使用頻度は非常に高くなります。被曝量の問題はデジタルに分があるものの、外でも自然に浴びる自然放射線と比較すればそれが問題になることはほとんどありません。
それよりも、正確な診断ができないことによる影響の方がはるかに大きいと考えるのです。
何年経っても同じ位置関係(これはアナログ、デジタル関係ありませんが)で、同じ濃度で現像できるからこそ見えてくることもたくさんあります。
レントゲン写真を一枚を見れば、その医院の実力がわかるとも言われています。

コンピューターのモニターの解像度は72dpiですが、アナログフィルムの解像度は2400dpiくらいになるそうです。
そう遠くないうちにデジタルの画質がアナログに追いつく日が来るのかもしれませんが、ここに書かれているほどその日が近いとも思っていません。(ここではもう来たと書かれていますが、まだです。)
その日が来るまでは、こだわってアナログのデンタルフィルムを使い続けたいと思います。