土台や被せ物や義歯、全てにおいてセットした日のまま壊れないで持ってくれればそれに越したことはありません。
できるだけ長く持つように、細部にこだわり、出来うることをベストを尽くしてやっているつもりです。
そして、何の問題もなく10年以上経過してくれるものがある一方で、トラブルが起こることもやはりあります。
弱い歯、もともとギリギリの歯を残せば、ある程度予測はつくものの、”何でこの歯が?”というような予測不能なトラブルに見舞われることもあります。
固定性の被せ物の支台がやられてしまえば、基本的には全て壊してやり直しになります。
それは患者さんはもちろんのこと、術者にとってもつらいことです。
そんなとき、可撤性(取り外し式、つまり義歯)にしておくことで簡単な修理で終われることがあります。
最近、そんな術後対応(修理)で、大掛かりな再製をせずに対応できた事例がいくつかあり、可撤性のメリットをますます再認識しているところです。
写真は緑の部分の左側がもともとの義歯、右側が新たに作った部分で、これから”レーザー”でロウ着(溶接)します。
(少しスペースが大きいので、細工が必要ですが。)
もとの義歯を壊すことなく、修理が可能なのはとても大きなメリットに感じます。
また同時に、こういう対応が院内でできることはとても良く、院内技工を始めて約4年、院内技工のメリットもまずます感じています。
トラブルはないに越したことはありませんが、転ばぬ先のつえ、トラブルを予測してそれに対応できるようにしておくことは患者さん、術者双方にとって大切だと感じています。