骨粗鬆症の診断を受け、その治療を受けている方は以前より多くいらっしゃいます。
その治療でよく使われているビスフォスフォネート系薬剤と歯科治療の関係が最近問題視されています。
ビスフォスフォネート系薬剤の投与を受けていた患者さんにおいて、歯科における抜歯などの外科処置後に顎骨壊死や顎骨骨髄炎が発現したとの報告があるからです。
先日は新聞でも取り上げられていました。
そもそもビスフォスフォネート(以下BP)は骨の吸収が進む骨粗鬆症において、骨吸収の抑制作用を発揮する骨粗鬆症の第一選択薬となっています。
BP大きく分けて注射用製剤と経口製剤に分けられ、より重度の骨粗鬆症の患者さんには注射用製剤が使用されています。
未だ発症機序は正確にはわかっていないそうなのですが、顎骨壊死の発症頻度はアメリカの報告では注射用製剤で0.8%〜12% 経口投与製剤では0.1%くらい。
少ないと言えば少ないですが、注射用製剤では特に注意が必要なようです。
経口投与も3年を超えると、発症のリスクは多少上がるそうです。
歯科でこれだけ問題になっている割には医科での意識はそれほど高くなく、骨粗鬆症の境界線くらいの患者さんにも病院によっては簡単にBP薬が投与されているので、困ってしまいます。
骨粗鬆症の治療を受けていらっしゃる方、今後治療を受けられる予定の方は必ずスタッフまでお申し出ください。