山頂からは羊蹄山とアンヌプリがまるで絵のように綺麗に見えましたが、驚いたのはその反対側を見た時でした。
山々の向こうに日本海が見えた時、”向こうの景色も綺麗だから”という言葉の意味がよくわかりました。
山越えをして反対側に降りると、元にもどるリフトはありません。大抵の人は手前かリフトを目指して降りていくのですが、すでにできた滑降の轍を見ると、結構な人数が反対側に向かっていることがわかりました。
驚いたのは反対に見える山の斜面に数本の線が見えることで、そちらにはそもそもリフトも何もありません。
よく見ると下から山頂まで歩いて向かっている人が見えます。
アンヌプリのリフトから上が何メートルあったのかわかりませんが、あまりにレベルの違う山登りに愕然としました。
さて問題は初心者数名をかかえた12名の団体だったということです。見た感じでは途中までは斜度はきつくても行けなくはなさそうな斜面でしたが、初心者がついてこれるかどうかが問題でした。
この日の天候は2、3週間ぶりという奇跡的な晴天。これが逆に雪崩の原因などと心配させるような情報もありましたが、2、3人の元スキー部の方々による判断で、決行となりました。気持ち的にもう引き返せない、という精神論派の意見も後押ししたことは間違いありません。
その後の滑降は、スキー場ではとても経験できない、爽快で貴重で心に残るものでした。心配だった初心者グループは前後に元スキー部がサポートしながらなんとかついてきて、目的地であった五色温泉までたどり着くことができました。
ちょっとした初心者の冒険ではありましたが、部活の試合の後のような感覚が芽生えて、温泉到着時には自然と握手、そして肩を組みあって喜びと楽しみを共有しました。
貴重な体験を後押ししてくださったK先生に全員で感謝し、その後の温泉、その晩と、この日の話題で持ちきりでした。この日の結束力で、スタディーグループも進んでいければと感じた3日間でした。