歯科雑誌”歯界展望”の秋の別冊が発売になりました。
この本は、2010年3月に行なわれたスタディーグループ火曜会の55周年記念講演会 ”歯根膜の魅力” をベースに、さらに大学の基礎の先生や大御所の臨床家の先生方にもご参加をいただき、”歯根膜”の話題をさらにボリュームを増して完成された一冊です。
インプラント全盛の歯科界にあって、”歯根膜”に焦点を絞って天然歯の保存や活用を話題にした講演会は、非常にインパクトがあり面白いものでした。それがこうして形になったことはとても意味があることと考えています。
私は2ページだけ参加させていただいただけですが、関わることができたものとしてうれしく思っています。
巻頭の言葉がすばらしく、本当は全て紹介したいくらいですが、一部(勝手に)紹介をさせていただきます。
”・・・自然環境と口腔内環境はよく似ています。ひとたび誤った舵取りをした流れを元に戻すことが、いかに困難かを考えなければなりません。原子力発電の負の遺産を整理することは、私たちには手の届かないことです。しかし口腔内環境の保全は今日からでも行なえて、私たちにしかできない責務です。そのために今ある歯根膜を活かさないのは「モッタイナイ」のです。”
この本の最も伝えたいことが凝縮された素晴らしい文章です。
DVD付きで(しかもこの内容で)6000円は歯科の本としてはかなり安いのです。(ごく薄い本でも平気で1万円を超えます。)
多くの方の手に渡ることを期待したいと思います。